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金利は一種類じゃない 「単利」と「複利」の大きな違い

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(写真=PIXTA)

 銀行などにお金を預けると「利息」が付いてきますが、利息の計算方法には「単利」と「複利」があります。これらは、それぞれ異なる仕組みと特徴を持っています。今回は、「単利」と「複利」の仕組みや特徴をお話していきましょう。

「単利」「複利」とは

● 「単利」・・・・・・「預けた元本のみ」に利息がつく

 単利は預けた金額、いわゆる元本に対してのみ利息がつくタイプです。例えば100万円預けて年利が10%の場合、1年間の利息は純粋に10万円になります。そして2年目も元本100万円を基本に計算しますので、利息分は10万円になります。そうすると、2年間で20万円ということになります。

● 「複利」・・・・・・「元本+利息」に利息がつく

 一方複利の場合は、ある一定の期間ごとに支払われる利息が次の期間の元本に追加されるので、この利息が足された元本をその期間の元本として新たに利息を計算していくことになります。例えば100万円預けて年利が10%の場合、1年間の利息は10万円ですが、2年目の利息の元本は「100万円+10万円」で「110万円」となります。このため2年目の利息は11万円となり、1年目よりも増えるわけです。単利と比べて、2年目ですでに差が出始めているのがわかります。長期で見れば元本が毎年増えてくるので、利息分もどんどん大きくなります。

 単利の場合と複利の場合で、実際どれだけ差が出てくるのか見てみましょう。

例) 元本500万円、年利2%で30年の預け入れを考えた時
 【単利】 500万円 + 利息300万円 = 800万円
 【複利】 500万円 + 利息405万6,808円 = 905万6,808円

 税金などを考慮しない場合、利息の差を比べてみると、複利の方がプラス105万6,808円となりました。上の例では、単利より複利の方が、はるかに利息が高くなるのがわかります。

複利で運用できる商品

 複利の効果が得られる商品・買い方はどのようなものがあるのでしょうか。

●積立預金

 まずは「積立預金」です。預貯金ができないという人には最適な商品です。毎月指定口座から天引きになり、1万円くらいから始められます。複利効果を期待するなら、利率の高い定期預金を選びましょう。

●外貨建MMF

 「外貨建MMF」は円建てではなく、外貨建て公社債および短期金融商品で資金を運用する投資信託です。日々収益の分配を行い、毎月の最終取引日に再投資します。資源国などの高金利通貨建ての商品が人気のようです。

●元利自動継続

 また定期預金の「元利自動継続」という手法もあります。一般の定期預金で3年未満のタイプは通常、「単利」での計算ですが、満期日に元本に利息を加えた分を「自動継続(元利自動継続)」にすれば、複利のメリットを受けることができます。同様に、1年のスーパー定期や1ヵ月定期でも「元利自動継続」にしておけば、利息が元本に組み込まれるので、複利と同じ恩恵を受けることができます。

利息にかかる税金のタイミング

 単利の場合は、利息が支払われた段階で自動的に課税されます。この時の課税方式は「源泉分離課税」です。

 一方、定額貯金のように、利息を元本に再投資する段階では課税せずに、満期時に確定した利息に対して一括して税金が引かれる「満期時一括課税」を選べる商品があります。この場合、満期前に元本に上乗せされた利息に対して税金が引かれていないため、受け取る利息は単利よりも多くなります。

複利運用は期間が長いほど得

 複利で運用をするなら、預け入れ年数が長ければ長いほど得です。なぜなら、複利は利息が元本となって新たな利息を呼び、その額は毎年膨らむからです。

 単利で預けて1年に1回、利息をお小遣いとして使いたいという人もいると思いますが、利息を使う予定がないのなら複利運用を早めにスタートさせるのが理想的です。たとえ最初に元本が少なくても、預け入れ年数を長くすることで複利効果は高まり、合計額も増えていきます。

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