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注目を集めるジャクソンホールでのイエレン発言

FRB
(写真=PIXTA)

 8月26日にイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が、カンザスシティ連銀が主催するシンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演する予定となっており、利上げのタイミングを占ううえで、市場の大きな注目を集めています。

 ジャクソンホール会議とは、米ワイオミング州ジャクソンホールで毎年8月に開催される経済政策シンポジウムであり、世界各国の中央銀行当局者や政策担当者、学者、エコノミスト等が中長期的なテーマについて議論する場となっています。なお、今年のテーマは「将来に向けた頑健な金融政策の枠組みの設計」とされています。

 過去には、2010年に当時のバーナンキFRB議長が量的緩和政策の第2弾(QE2)の導入を示唆し、その後11月に実際に導入を決定した経緯があるため、市場参加者の注目度も高いイベントとなっています。

 7月FOMCの議事要旨では、多くの参加者が次回の利上げまでに、さらなる経済データを確認していくことが適切であると判断しており、利上げを急ぐ様子はみられませんでした。また、追加利上げが近く正当化されるという参加者がいる一方で、インフレ率が2%の目標に向かって上昇してくという自信が深まるまで利上げを待つべきと主張する参加者がいる等、利上げ時期をめぐる参加者のコンセンサスは得られていない状況です。

 一方、最近では、フィッシャーFRB副議長やダドリー・ニューヨーク連銀総裁等、複数のFRB当局者から利上げに前向きな発言が聞かれています。7月FOMC後に発表された7月の雇用統計が堅調な結果となり、利上げに対する自信を深めた可能性があります。

 このように、9月利上げの有無について決め手を欠いた状況であり、金融市場で9月FOMCでの利上げを織り込む動きは限定的なものにとどまっています。イエレン議長の発言内容次第では、こうした見方に変化が生じる可能性もあるだけに、FRBの現時点のスタンスを確認するうえで注目されています。

 ただ、講演の翌週、9月2日には8月の雇用統計が発表されることもあり、利上げの判断はデータ次第という姿勢を維持し、イエレン議長としては政策運営の自由度を確保することになるのではないかと考えられます。このため、利上げの方向性は変わらないものの、タイミングに関しては明確なヒントは示さない、もしくは年内の利上げに自信を示すにとどまるのではないかとみています。この場合、市場のコンセンサスとも近い結果であるため、金融市場の反応も限られたものとなるでしょう。一方、9月の利上げに積極的な姿勢を示した場合には、市場の織り込みが進んでいない分、リスク回避の動きが強まる可能性に注意が必要です。

 もっとも、いずれの結果となるにしても、経済見通しをめぐる不確実性が大きいなかで、FRBは慎重に利上げを進めていくという姿勢に変化はないと考えられます。このため、低金利が長引くもとで株高が促されやすい環境は今後も維持されるとみています。

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