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9月の日本株、秋の底入れへつながるか

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(写真=PIXTA)

9月の日本株~日銀のETF買い一服、焦点は米利上げ時期

1949年以降における日経平均株価の9月の上昇確率(棒グラフ)をみると、初旬に弱含み、中旬に戻りを試し、下旬に一進一退となる傾向がよみとれます。

8月4日と8月10日、日銀は従来型ETFを707億円ずつ買い入れました(設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETFは除く)。しかし、その後の日銀のETF買い入れは2週間止まっています(8月24日時点)。為替市場で1ドル=99円台まで円高・ドル安が進み、日本株の方向感が乏しくなりつつあります。

9月2日、米8月雇用統計が発表されます。仮に非農業部門雇用者数が3ヵ月連続で20万人超の増加となれば、年内の米利上げ観測も高まるでしょう。「出来高は株価に先行する」といわれています。例年、国内株式市場では夏季休暇明けの海外勢が東京市場へ戻り、秋以降の商いが復調する傾向もみられます。9月5日の米レーバーデー明け以降の東証1部売買代金が増えるかにも注目したいところです。

9月20日~21日、日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。黒田総裁は「総括的な検証をふまえ、追加的な緩和措置は十分ある」とする一方、米連邦準備理事会(FRB)内で利上げ時期の見通しが割れています。11月に米大統領選を控えるなか、市場予想での米利上げ確率は12月会合(12月13日~14日)で5割強と見込まれています。

図1

日経平均株価~当面15,000~17,000円のボックス相場か

1990年以降の日経平均株価が下落した年の平均下落率は▲18.8%です。2016年を振り返ると、この下落率を当てはめた15,454円を下回ったのは8営業日のみです。また、株価純資産倍率(PBR)1倍の14,382円(8月24日時点)手前で2度下げ渋っています。

一方、戻りめどとして3月月中平均や200日線のある16,900~17,100円が意識されているようです。米株市場や為替動向をにらみつつ、仮に低調な商いが続くようであれば、当面の日経平均株価は15,000~17,000円のボックスが想定されます。

図2

売買代金~7~8月は夏枯れ、9月に復調も

2016年の東証1部売買代金(1日当たり)は7月に2.39兆円まで膨らんでいます。ただ、ゲーム関連株の商いが0.3兆円程度押し上げています。仮にその分を割り引くと、7~8月は2兆円程度の夏枯れ状態だったといえます。9月の商いが2.5兆円台(15年平均)まで増勢すれば、日本株は秋の底入れにもつながるでしょう。   

図3

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