企業の株を持っているだけで、ギフトカードや食事券、自社製品詰め合わせ、リゾートホテル招待券などさまざまな商品やサービスを受け取ることができる“株主優待”。この優待を楽しみに株式投資をしている方も多いのではないのでしょうか?
しかし、株主優待を受けることができる一方で肝心の株価が下がってしまっては、逆に損をしてしまうこともありますよね。そこで今回は、優良な優待銘柄を探すときのポイントを解説します!
優待銘柄を選ぶときのポイント
株主優待は企業が「株主になってほしい・ファンになってほしい」という思いをこめて実施しているもので、上場企業の約3割・1,300社以上が導入しています。1,300社以上ともなれば、ほしい商品やサービスがいろいろあり目移りしていまいそうですが、実際に投資する場合にはその企業が優良企業なのかどうかをしっかりと見極めておくことも大切です。
魅力的な優待だからといってすぐには飛びつかず、購入前には業績や財務の健全性などをしっかりと見極めたいところ。優良な銘柄を選ぶときの基準は次のものがあげられます。
①決算で純利益が出ている
企業の業績が良い状態なのか悪い状態なのか確認するためにはまず直近の決算をチェックするのがよいでしょう。株主優待銘柄を選ぶときには「純利益」が出ている銘柄=赤字ではない銘柄を選ぶようにします。赤字を理由に株主優待制度を廃止してしまうケースが想定されるからです。
また、決算はできれば過去3期分程度さかのぼり業績の安定性を確認しておくのがベターでしょう。収益環境の急変にも耐えられるか、財務の健全性(例えば、自己資本比率が1ケタ台等、極端に低くないか)もチェックしておきましょう。
②配当がない銘柄は避けたほうが無難
株式には株主優待だけでなく企業の利益の一部を受け取ることができる「配当」があります。もし優待内容で関心のある企業でも配当を予定していない、無配予想の場合には、足元の業績や財務状況が芳しくないサインかもしれません。無配当の銘柄については、避けておいた方が無難でしょう。
ちなみに配当金額を株価で割ったものを配当利回りといい、配当目的の投資で銘柄を選んだり、投資タイミングをはかったりする際に一般に用いられます。覚えておくとよいでしょう。
※株価が下がると配当利回りが高くなるので、あまりに利回りが高すぎるときには業績が落ちて配当予想も減るおそれがないか十分にチェックしておくことが肝要です。
③割安のタイミングを狙う!
優良な株式優待銘柄を見つけたとしても、なるべくならお安く買いたいですよね。優良な銘柄が見つかったら、その企業の「PER(株価収益率)」と「PBR(株価純資産倍率)」を計算してみましょう。
PERは株価を1株当たり利益(予想)で割ったもの、PBRは株価を1株当たり純資産で割ったもので、値が高いほど割高、値が低いほど割安となります。ただ、いずれの指標も、先行きの利益見通し(成長性)が高いほど、株価は高くなり、PERもその分高くなる性質がある点を頭に入れておく必要があります。
PER、PBRが単純に高いから割高、低いから割安と結論付けるのは必ずしも正しくありません。割高・割安の判断は、そのときどきの利益見通しあるいは銘柄ごとの利益見通しを加味したうえで行いましょう。
いろいろもらえて楽しい魅力がいっぱいの“株主優待”。早速、上記のポイントを頭に置きながら優待銘柄を探してみましょう!
●優待銘柄を検索
http://www.mizuho-sc.com/ap/product/stock/yutai/index.html
●NISA運用ニーズごとの対象商品 株式 “株主優待”の楽しみ
http://www.mizuho-sc.com/nisa/pickup/yutai/index.html
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