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年内利上げの意欲を示したFRB

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(写真=PIXTA)

 9月20日~21日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%~0.50%に維持することが決定されました。

 一方、声明文では、「FOMCはFF金利を引き上げる根拠は強まってきたと判断している」との表現が加わっています。今回は利上げが見送られたものの、後述する政策金利見通しとあわせて考えると、FOMCとしては年内の利上げについて引き続き意欲を持っているといえるでしょう。

 今後の利上げのペースに関して、FOMC参加者の政策金利見通しを確認すると、16年末時点で年内1回以上の利上げ(1回当たりの利上げ幅を0.25%と仮定)を見込む参加者が17名中、14名と多数を占めており、ここからも年内に1度は利上げを行っておきたいという意欲がうかがえます。

 一方、利上げペースの見通しがさらに緩やかになるとともに、そのゴールとでもいうべき長期的な均衡水準(中立金利)は徐々に切り下がっています。

 こうしたFOMCの結果からすると、このまま米国経済の緩やかな成長が続き、金融市場が不安定化するようなリスクが生じなければ、12月のFOMCで利上げを決定する可能性は高いと考えられます。

 一方で、年内の利上げが実現したとしても、その後については引き続き慎重な利上げスタンスが維持されるとみられます。米国経済の状況を考えれば、利上げの方向性に変化はないでしょう。ただ、賃金や物価の上昇ペースが緩やかであり、利上げを急ぐような状況ではありません。

 また、日本や欧州をはじめとして、米国以外の国では金融緩和が続いている状況です。こうしたなかで、米国が利上げを急げば、急速なドル高や新興国からの資本流出等を通じて、海外経済の下振れや国際金融市場の不安定化につながりかねません。ひいては米国経済にも影響が及ぶ可能性もあります。

 米連邦準備理事会(FRB)はこうした事態を避けるために、慎重に利上げの是非を判断し、きわめて緩やかなペースで利上げを進めていくと考えられます。

 利上げペースの見通しが緩やかであり、ゴールとなる金利水準も低下しているという、今回のFOMCの結果からすると、低金利の状況が長引く可能性は高いと言えるでしょう。

 米国経済が緩やかに成長し、企業業績の拡大も見込まれる一方で、低金利が維持される見通しであるため、米国株は現在、最高値圏で推移していますが、その投資魅力は引き続き高いとみています。

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