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妊娠から出産、どれだけかかる? 事前に知っておきたいお金の話 (前編)

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

ファイナンシャル・プランナーで、マネーとキャリアの専門家集団であるプラチナ・コンシェルジュの國場弥生さんが妊娠出産にまつわるお金の情報をお届けします。出産といううれしいイベントだけについお金を使いすぎてしまうこともあるので、全体像を知って支出をコントロールし、教育資金の準備にも役立てましょう。

子どもがたくさん生まれるのは何月?

現在妊娠中のママとパパは、何かと子どもの生まれ月が気になるのではないでしょうか。季節によって準備するベビー用品は変わりますし、生まれてから1~2カ月は室内の温度や湿度の調節にも気を配る必要があります。

ワーキングママなら育休終了と保育園入園のタイミングも気になるところ。2017年10月から育児休業に関する法律が変わり、保育園に入れない等の場合には、子どもが2歳になるまで育児休業を延長できるようになりました。

ちなみに過去10年間では、月ごとの日数の違いはあるものの7月~10月に出生数が増える傾向がみられます。

妊娠・出産はうれしいイベントだからこそ、お金の使いすぎに要注意!

はじめての妊娠・出産はわからないことばかりで、体調や環境等の変化に応じてそのつど考え、決断することが多くなるのではないでしょうか。もちろん臨機応変に対処するのは良いことですが、ことお金に関しては、底なしに使えるわけではないのでムダや重複を省く工夫も必要です。「うれしくてついベビー用品をたくさん揃えたけれど、結局あまり使わなかった」等の残念な声も少なくありません。そんな失敗を避けるための第一歩が妊娠・出産にかかる費用全体をおおよそ把握することです。

妊娠から出産までにかかる費用としては、妊婦健診費やトラブルがあったときの診療費、里帰り出産の場合は事前の診察等も含めた交通費、分娩・入院費、マタニティ用品・ベビー用品の購入代金、ヨガやスイミングといった妊娠中の健康管理のための費用等があります。

出産費用:「出産育児一時金の見直しについて」平成26年7月7日厚生労働省保険局
妊娠週数が22週に達していない等、産科医療補償制度対象出産ではない場合は40万4千円
ベビー用品:Webサイト「ベビータウン・プレママタウン」調査

妊婦を経済的にサポートしてくれる制度を知っておこう

病院で妊娠の診断を受けたら、住んでいる市区町村へ届出をします。そのときに母子健康手帳とともに、妊婦健診をうけるための受診券等も受け取ることができます。健診は、妊婦自身の健康状態やお腹の赤ちゃんの育ち具合をみるための大切なもので、出産までの間に14回程度受けることが推奨されています。公的な医療保険の対象にならないため、健診費用は本来すべて自己負担となるのですが、子どもが生まれる家庭を経済的にサポートするため受診券等を配っているのです。

ただ、自治体によってカバーされる金額(全国平均約10万円)が異なったり、一人ひとりの状況にあわせた検査を行う必要があったりするため、まったく本人負担が生じないわけではありません。本人が負担した金額については確定申告のときに「医療費控除」の対象となるので、領収書は翌年まで残しておきましょう。

つわりがひどいときや治療が必要なときは、公的な医療保険が使える

妊婦健診は公的な医療保険の対象外ですが、つわりがひどい、お腹が痛い、出血がある、むくみがひどいなど体調が悪いときは、その他の病気やけがと同じように診療をうけ、病院の窓口で費用の3割を負担するだけで済みます。症状が重くなり、入院する必要が生じた場合など、3割負担といえども支払いが大きくなってしまったときには、ひと月当たりの医療費負担を軽減するための「高額療養費制度」を利用することもできます。

また、治療等のために入院した場合、民間の保険会社の医療保険、医療特約の対象にもなるので、保険証券等で条件を確認しておくとより安心です。

妊娠期間を健康に過ごすためには適度な運動も欠かせません。体重が増えすぎるのを避けたり、腰の痛みやむくみを緩和する効果も期待できます。マタニティヨガやスイミング、アクアビクスなど、妊婦だけを対象にしたレッスンを行う施設があるので人目を気にせず参加することができます。費用はさまざま(5千円程度~/回)ですが、たくさん通いたいなら、まずは自治体が主催するものや通っている病院が提携する施設等、割安に利用できる可能性があるものから調べることをお勧めします。

ワーキングママを応援してくれる! 仕事を休んでもお給料の一部がもらえる出産手当金

日本全体の人口が減っていくなか、労働力を確保するために女性が長く働きやすい環境が整備されつつあります。その1つが「出産手当金」です。産休に入るとお給料が支給されないことが多いので、その代わりとしてお給料の6割程度を受け取ることができます。出産手当金は、勤務先を通じて加入する健康保険が、加入者本人に対して支給するので、自営業やフリーランスの人、専業主婦の人等は受け取ることができません。

また、妊娠中に具合が悪くなり長期間入院することになった場合、「傷病手当金」をお給料の6割程度受け取ることもできます。

△…出産手当金は、会社等を退職してから6カ月以内の出産であること等条件を満たせば退職後も受け取ることができる。傷病手当金は、退職時にすでに傷病手当金を受け取り始めている等条件を満たせば退職後も受け取ることができる

分娩・入院にかかる費用や育児休業給付金等産後にもらえるお金、節約のポイント、子どもの教育費準備の方法等について、後編で詳しくご紹介します。

日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab.
プラチナ・コンシェルジュ ファイナンシャル・プランナー 國場弥生

日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」(https://consult.nikkeibp.co.jp/financial-contents-lab/)は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。

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