Googleも出資、注目集める「リップル」
ビットコイン以外で注目を集めているのが2013年1月に正式にスタートしGoogleが出資を決めた「リップル(Ripple)」です。単位は「XRP」です。
リップルはビットコインの技術を応用して開発されました。独自の「コンセンサス・システム」という技術を決済の承認に使用することで、ビットコインでは1つの決済に約10分かかるところを、リップルでは数秒で完了するそうです。
XRPは「ブリッジ通貨」と呼ばれ、円、ドル、ユーロや、仮想通貨のビットコインや後述のイーサリアムなどにも交換することができます。もしあなたがXRPしか保有していなくても、送金相手がビットコインで受け取りを希望すれば、ビットコインで送金することが可能なのです。送金レートは自動で決定され、取引はすべてリップル・ウォレット内で完結します。
マイクロソフトも注目する「イーサリアム」
「イーサリアム(Ethereum)」は2015年7月にリリースされました。仮想通貨の単位は「Ether(イーサー)」です。2016年6月28日時点で時価総額(仮想通貨発行数と仮想通貨の為替レートを乗じた額)は11億ドルでビットコインに次ぐ2位です。イーサリアムはマイクロソフトとの提携が発表されたことで一気に注目を集めました。
イーサリアムは仮想通貨としてだけでなく、そのプラットフォームの将来性が高く評価されています。
イーサリアムのプラットフォームの特徴として「スマートコントラクト」(契約の自動化)が挙げられます。ビットコインのブロックチェーンは通常、ビットコインの移転の情報しか書き込めませんが、イーサリアムのブロックチェーンにはより複雑な内容を書き込めるようになっています。
例えば、誰にいくら借りて、担保はどれで、いつまでに返済するといった契約内容をブロックチェーンに書き込むことができます。その契約は特定の認証機関を通さず、ネットワーク参加者全員で管理されます。
「スマートコントラクト」は金銭の貸し借り以外にも、家の賃貸契約や株の譲渡、土地の登記等さまざまな分野で利用できる可能性を秘めています。
増え続ける「通貨」
今までご紹介した仮想通貨以外にも、日本の「2ちゃんねる」から生まれた「モナーコイン」、送金スピードの速さがウリの「ライトコイン」、ジャマイカのボブスレーチームが資金集めに利用したといわれる「ドージコイン」など多くのユニークな仮想通貨があります。取引規模が小さいものも合わせると実に700種類以上の仮想通貨が存在しています。デジタルのお金の種類は日々増え続けているといえます。
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