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「モバイル決済」の仕組みとは 財布がなくてもスマホで支払い可能!

モバイル決済のセキュリティ対応

 お店側のモバイル決済で使用されるカードリーダーは、これまでは、磁気ストライプのクレジットカード対応のものが主流でしたが、現在は ICカードに対応したカードリーダーが使用されるようになってきました。

 これは、年々増加するクレジットカード不正使用への対応としてクレジットカードのEMV化(「EMV」はVisa、MasterCardが策定した決済カードのためのICカード仕様で、従来の磁気ストライプのカードよりも安全性が高い)が義務付けられ、日本では2020年までにEMV化を完了させることを目標としているためです。

 お店側としても専用カードリーダーについては、EMV対応したものを導入する必要性が出てきていますが、対応には手間とコストがかかるため、サービス提供者側でもPayPal HereのようにカードリーダーのEMV化対応をあきらめ、サービスを停止したケースもあります。

 消費者側のスマホやタブレット端末を利用したNFC/Felica決済では、カード情報の漏えいなどが心配されていますが、Apple PayやAndroid Payなどでは以下のようなセキュリティ対応が採用されています。

●クレジットカードの番号を乱数と置き換える処理(トークナイゼーション)を施してから決済処理を行うため、カードの番号はお店側に伝わらない
●クレジットカード情報は、iPhone内部にあるセキュリティチップに記録され、例えばアップル自身でもクレジットカード情報を直接読みだすことができない仕組みになっている

モバイル決済は拡大するか?

 日本では従来からおサイフケータイなどで、Felicaの利用が進んでいましたが、Felicaは国際的には独自の規格となっており、世界的にはTypeA/Bが利用されています。

 今後の東京オリンピックも控えて、FelicaだけではなくTypeA/BのNFC決済サービスにも対応できるマルチカードリーダーも開発されています。お店側のコスト負担を考えると一度に置き換えるのは難しいかもしれませんが、対応できるお店は増えていくでしょう。

 日本は現金決済の比率が高い国ですが、いつでもどこでもスマートフォンがあれば使える利便性を活かし、対応するお店の拡大やそのお店とのポイント連携などの施策により、モバイル決済の利用が拡大していく可能性があります。

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