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ドル安円高はいつまで? テクニカル面からみるトレンド転換点は?

世界不安はひと段落。米株高&利上げと日銀の追加金融緩和がドル高円安へのカギ!?

 前述の世界的なリスクを経て、現在は世界経済への不安に対して一定の落ち着きを取り戻しつつあり、1ドル=100円近辺に迫ると切り返す底堅い値動きを続けています。

 そこで次なる展開として期待されているのが“米国の利上げ”です。

 米国経済は株価も史上最高値を更新し、回復傾向にあります。経済が上向きになると、急激なインフレを抑制するため米国の中央銀行であるFRBが利上げ措置をとるのですが、その利上げがいつ行われるのか、はたまた行われないのかということに市場は熱視線を注いでいます。なぜなら米国経済が上向きであることを示す利上げの決定は「ドル買い」要素でもあるからです。

 また、日銀はあらためてデフレ脱却・景気回復を目指し新たな緩和策を示すとの期待が高まっています。もし追加緩和が決定すれば市場に出回る円が量的に増えるということで相対的に価値が下がり「円売り」要素となることが予想されます。

図2

9月中のトレンド転換は微妙… 材料がそろうタイミングは

 利上げを検討するFOMC(連邦公開市場委員会)と日銀の金融政策決定会合はいずれも9月20日~21日(現地時間)に予定されていて、ここで米利上げと追加金融緩和が同時に決定されれば素直にドル高円安になることが予想されます。ただし、見送れば逆にドル安円高となるでしょう。

 しかしながら、これまで日銀が追加緩和を発表してきたタイミングは経済の先行きを検証した「展望レポート」と同時に発表することが多く、次の発表は10月31日~11月1日の予定です。一方米国は大統領選を控えたテレビ討論会が9月26日に予定されており、直前のFOMCで利上げを行うことで市場の混乱を招いてしまうと、トランプ候補が現在の政策を批判する材料となりかねない…ということで、日米どちらも9月中の政策転換はタイミング的に時期尚早なのではないかと考えられます。

図3

トレンド転換の材料がそろうのは…9月末!? 遅くとも10月末?

 テクニカル面で言えば、約10ヵ月もの下落トレンドが続いていたこと、10月末に日足一目均衡表の雲上限が切り下がるタイミングで日米の金融政策が転換し、長らく抜けられなかった雲上限を上抜けることができれば、下落トレンド終了・年末から来年前半に向けて上昇トレンドに転換する可能性が高いと言えます。というわけで、株価への影響も大きなドル円市場の先行きを占う10月末の日米金融政策動向はとくに注意して「売り」「買い」のタイミングを見極めていきましょう!

図4

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