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為替相場の決定理論【外国為替の基礎知識】

(元画像=vladwel/stock.adobe.com、 編集=お金のキャンパス編集部)

この記事は、みずほ証券YouTube公式チャンネルとのコラボ企画です。みずほ証券の鈴木さんが外国為替の基礎知識を解説する「みずほ為替塾」から、ポイントを要約してお届けします。(記事一覧はこちら)

今回のテーマ 為替相場の決定理論

鈴木さんはこれまでの記事 で、ドル/円の見通しについて、長期的には「ドル高円安方向」であることについて解説していました。今回は、逆に「ドル安円高方向」となる可能性、考え方にはどのようなものがあるかを確認していきます。

購買力平価からみる「ドル安円高」のシナリオ

物価で為替を考えるときに代表的な考え方は「購買力平価説」です。購買力平価の考え方は、極端にいうと以下のようになります。

 
 ✔︎ 為替レートの値動きは、すべて物価で決まる

つまり、一般に為替レートの決定要因は物価動向である、という考え方です。これに基づくと、為替レートと物価の関係は次のようになります。

 
 ✔︎ 物価が上昇(インフレ) ⇒ 通貨価値は下落
 ✔︎ 物価が下落(デフレ)  ⇒ 通貨価値は上昇

なぜ、物価が上昇すると通貨価値は下落し、逆に物価が下落すれば通貨価値は上昇するのでしょうか?動画では、鈴木さんが購買力平価からみる「ドル安円高」のシナリオを解説しています。

鈴木さんの解説動画はこちら
「物価が通貨に与える影響とは」の説明から再生が始まります。

なお、購買力平価については以下の記事をご覧ください。

関連記事 為替レートと購買力平価【外国為替の基礎知識】

データでみる物価とドル/円の関係

それでは、購買力平価による為替レートの決定理論は正しいのでしょうか?鈴木さんは、日米の物価格差とドル/円の推移を比較しながら解説しています。

(注)インフレ格差は米国の消費者物価指数の上昇率-日本の消費者物価指数の上昇率、20/6まで
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成

上のグラフでは次のことがわかります。

 
 ✔︎ 赤枠部分にあるように、80年代以降は米国の物価が
   日本の物価を上回っている
 ✔︎ これは購買力平価の考え方では、ドル安円高が進みや
   すい状況だといえる

このグラフからは、購買力平価の考え方に基づいて物価動向によって為替レートが推移していると読み取ることができます。

それでは、米国の物価が日本の物価を上回る限りドル安円高が続くのでしょうか?

鈴木さんは、別のグラフ(2010年以降の購買力平価とドル/円の推移)を見ることによって以下のような解説をしています。

 
 ✔︎ 購買力平価は、ざっくりとした方向感を探る程度
 ✔︎ 2010年ごろからドル安円高圧力は減退
 ✔︎ 長期的にドル安円高を見込むほどではない

詳しい鈴木さんの解説は、動画をご覧ください。

鈴木さんの解説動画はこちら
「本当にインフレは通貨安要因?」の説明から再生が始まります。

 


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