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金利高でも配当ねらい!?

(写真=Ollyy/Shutterstock.com)

大きな上昇トレンドが続く米国株式

2016年11月の米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選して始まった「トランプ相場」。市場ではトランプ政権の積極財政政策による成長重視路線への期待から株価、金利、ドルが上昇。NYダウは11月22日に初の1万9,000ドル台に乗せ、年明け1月25日には2万ドル台、直近3月1日に2万1,000ドル台と過去3ヵ月余りで約10%の上昇を記録しました。

もし、NYダウに連動することを目指すETFに投資していたら短期間で10%の値上がり益(手数料などを除く)を手にしたことになります。

一方、米国株は長期でも大きな上昇トレンドを描いており、株式投資の振り向け先として欠かせない存在といえますが、あわせて長期で安定した株式の運用益を目指す観点では、値上がり益だけでなく、企業が株主に支払う配当にも着目した運用が効果的といわれます。

「配当」に着目した指数がある?

企業の成長だけでなく、配当に着目した株価指数の一例としては、米国の配当利回りと配当実績などから構成銘柄が決定される「ダウ・ジョーンズセレクト配当込指数(以下、好配当指数)」があります。この好配当指数と市場平均を表す「S&P500指数(配当込)」の動きを2000年以降の月次累積リターンベースでみてみると、直近2月末時点で好配当指数が+418%、S&P500指数が+124%と好配当指数が勝っています。

パフォーマンス格差が開いたのは、2000年以降のITバブル崩壊でIT関連銘柄の組み入れがあるS&P500指数が下落を強いられる一方、配当による選定基準によりIT関連銘柄の構成比率が低かった好配当指数が下落をまぬかれたことがあります。

これは「配当ねらい」が結果として相場急変時のリスク回避につながるという好配当指数の強みが出たものといえます。グラフは好配当指数の安定性をみるためにITバブル崩壊後の累積効果を除いた累和ベースの値動きを表しています。

金利と好配当利回り銘柄の関係

なお、一般的に好配当利回り銘柄は金利低下局面や低金利環境で選好され、金利上昇局面で敬遠される傾向があるといわれます。

したがって今回のようにトランプ政権の政策により先行き金利上昇が見込まれる現在の局面で「配当ねらい」の運用が思わぬ不利益をこうむらないかどうか気をつけてみておく必要があります。

ただ、過去の実績をみる限り今回例示した好配当指数ではそこまで警戒すべき動きにはなっていないことがわかります。

前回の米利上げ局面(2004年6月~2006年6月)を対象に好配当指数とS&P500指数の値動きをみてみると、好配当指数はこの間に+25.3%、S&P500は同+17.8%と好配当指数のパフォーマンス悪化はみられません。要因は特定できませんが、この間の景気拡大期待から相場全体の底上げが進み、その過程で好配当利回り銘柄など、割安銘柄が広く見直されたことがあると考えられます。

また、景気や企業業績拡大による増配期待が好配当指数の押し上げにつながった可能性もあります。これらの動きは金利上昇によるマイナス影響を景気拡大によるプラス効果が相殺した結果といえます。

足元に目を転じると、トランプ政権の財政政策が先行き金利上昇を促す可能性が高いとみられる一方、米金融当局の慎重な政策運営のもと、金利上昇の幅は経済成長に見合った適度な範囲に収まるとの見方が有力です。

今後想定される金利高局面でも、今回取り上げた「配当ねらい」の株式運用はその弱みが大きく前面に出ることはないと見込まれます。

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