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中村克彦さんに聞く 脱デフレ相場の着眼点 「買い」タイミングの見極めかた

【連載】これからの相場をテクニカル視点で読む!<中村克彦のテクニカルコラム>

2017年も終盤にさしかかり、年末にかけて相場の動きが大きくなってくる局面。ジェットコースターのような相場を乗り越えるためにも、ここでしっかりと戦略を練って投資に挑みたいところです。

テクニカル面からみた日本株の動向を、みずほ証券シニアテクニカルアナリスト中村克彦さんにくわしく聞いてみました。

バブル崩壊後(1990年~)の平均上昇率は+17.7%

―11月に入り日本株は大きく動きましたが、例年と比較するとどうでしょうか?

日本株の急上昇は一服してきました。

思い起こせば2016年11月9日の日経平均株価(終値16251円)は第45代米大統領にトランプ氏の決定報道を受け、前日比900円超も下げました。

―当時はトランプ氏が当選して、これからいったいどうなるのか心配になりました。

あれからちょうど1年。偶然とはいえ、2017年11月9日の日経平均株価(終値22868円)は取引時間中の高値から安値まで一時900円近くも下振れしました。その一方でバブル崩壊後の戻り高値22666円(1996年6月)を上回り、「脱デフレ相場」の機運が高まろうとしています。

短期的な騰落に一喜一憂しがちですが、長期的かつ客観的にテクニカル面からアプローチすることも大切です。

―本当に脱デフレに向かうのでしょうか? たしかにここ数年は上昇トレンドのような気もしますが…

過去27年(1990年~2016年)における日経平均株価は14勝13敗。日本経済が平成バブルの崩壊からデフレに陥った期間の「勝敗」はほぼ五分五分です。

アベノミクス相場も含む、年初から年末にかけて日経平均株価が上昇した過去14回の平均上昇率は「+17.7%」。
2016年末値(19114円)に当てはめると、22497円となります。2017年11月9日は年初来上昇率が+19.6%までに達しています。

―2017年が終わるまであとちょっとありますが、11月時点では、例年とくらべても上昇率の大きい年だったんですね!

「押し目買い」なら、今後は日足よりも、週足や月足に注目

―株価が全体的に高くなっているので、いつか大きな下げがくるんじゃないかって思ってしまい、買いを入れるタイミングがなかなかわかりません…。

11月9日、日経平均株価のローソク足(日足)は陰線で引け、上下に400円近くの長いヒゲを示現しました。売り方と買い方の攻防が繰り返され、東証1部売買代金も1日で5兆円近くまで膨らんだものの、チャートでは市場参加者の気迷いもうかがわれます。ただし、日足はダマシも多く、信頼性もさほど高くないため、週足や月足もチェックしておきたいところです。

(チャート分析における“ダマシ”とは…テクニカル分析で「買い」や「売り」のサインが出たにも関わらず、その通りに動かないこと。出来高が少なかったり、ローソク足の時間軸が短かったりするとダマシも多くなります。)
⇒ ローソク足の種類や組み合わせは「ローソク足」の見かたをご参照ください。

週足でみてみると11/6~10は陽線で引けています。
日足同様に長い上ヒゲを示現し、上値の重さも感じられるものの、11/6の始値が22612円に対して11/10の終値が22868円と上昇しています。

月足(11/1~)も今のところかろうじて陽線です。11/1の始値が22144円に対して11/13の終値は22380円と上昇しています。

一方、重要なのは11/30(木)の終値です。仮に22144円(11/1始値)を下回ると、11月は長い上ヒゲを残した陰線へ沈んでしまう。当面、チャート面からは上値での戻り売りが想定されます。しかしながら、国内企業業績は堅調です。PER(株価収益率)等からみた投資指標(バリュー)面での割高感がさほどない。言い換えれば、押し目買いを入れるタイミングが再び近づいているといえます。

―国内企業のPERは高すぎるというわけではないのですね。11月30日の終値には注目してみたいと思います。

海外勢による日本の買い越しは2兆円前後で一服も

売買動向にも注目しておきましょう。2015年以降の海外勢の買い越し局面を振り返ると、「4~9週連続」+「計2兆円前後」というハードルが浮かんできます。

2017年10月を起点にすると、足元まで6週買い越し、その額は計2.48兆円におよんでいます。衆議院選挙の与党大勝や好調な国内企業業績を背景に、ヘッジファンド等の短期マネーだけでなく、年金基金や政府系ファンド等の長期マネーも動き出しているといわれています。

しかし、週単位でみると、海外勢による日本株買いが急速にしぼみつつあることがわかります。

買い越し5週目(10/23~10/27)は6,703億円に達していたものの、買い越し6週目(10/30~11/2)に528億円へ大幅に縮小しました。やはり「4~9週連続」+「計2兆円前後」のハードルが気になるところです。

一方、下落局面では国内勢(1.日本銀行による上場投資信託(ETF)の買い入れ、2.事業会社による自社株買い、3.信託銀行経由の年金買い等)の下支えが期待されます。今後は海外勢よりも国内勢の買い越しに注目したい。

日経平均株価の長期トレンドを示す移動平均線(200日線や52週線)は右肩上がりとなっており、上昇トレンドが継続中といえます。投資の基本は長期で順張り、短期で逆張り。目先の値動きに流されず、下げた日に落ち着いて下値を拾うことが肝要です。

―海外勢や国内勢の動向も相場を読むためには重要ということですね。どこでチェックすればよいか、今日のワンポイントで教えてください!

投資主体別売買動向

投資主体別売買動向は、東証が前週分のデータを毎週木曜日に公表する。ただし、公表日を第4営業日としているため、祝日があると金曜日にズレ込むこともある。東京株式市場の売買シェアは外国人投資家が7割、個人投資家が2割、金融機関や事業法人等の1割が目安となる。

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