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投資初心者でも気軽に始められる「ポイント投資」ってどんなもの?

(写真=TATSIANAMA /Shutterstock.com)

貯蓄ではなかなかお金が増えない時代といわれています。政府も「貯蓄から投資へ」という流れを作ろうとしていますが、「投資って大きなお金がないと始められないんでしょ?」「株とか投資信託なんて、複雑で難しそう……」と敬遠している人も多いのではないでしょうか。最近では、フィンテックによって投資経験が無い人でも気軽に始められるさまざまなサービスが登場しています。今回は、フィンテックサービスの一つである「ポイント投資」についてご紹介します。

そもそもポイント投資とはどんなもの?

Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語であるフィンテック(FinTech)。フィンテックは、すでに私たちの生活のいたるところで活用されています。例えば、スマホを利用したモバイル決済サービス、銀行口座やクレジットカードの利用履歴を紐付けて自動で集計してくれる家計簿アプリサービス、AIが資産運用のアドバイスをしてくれるロボアドバイザーなどです。

ポイント投資も、たまったポイントの使い道として投資をするというフィンテックサービスの一種です。投資したポイントの代表的な運用方法には、ポイントをそのまま運用する「ポイント運用型」とポイントを現金化して運用する「現金運用型」の2パターンがあります。

ポイントをそのまま運用する「ポイント運用型」

ポイントをそのまま運用し、投資のリターンもポイントで受け取ります。実際の投資というより「疑似運用」となり、証券口座の開設も不要です。100ポイント(100円相当)程度から運用できるものが一般的です。

ポイントを現金化して運用する「現金運用型」

ポイントを現金化して、証券会社の証券口座に入金し投資を実際に行います。リターンも現金で受け取ることができます。自動売買の仕組みを利用して手間無く投資できるものや、ポイントでは最低売買単位に達しない場合には、現金をプラス(追加)して投資することができるものもあります。

おまけである「ポイント」を使って気軽に投資できる

ポイント投資の一番のメリットは、現金を使わず投資できるということでしょう。ポイント投資は、「おまけであるポイント」で投資するので、もし損失を出してしまっても経済的ダメージが少なく、積極的に運用してみたいという初心者の方にも適しています。また、現金投資には抵抗がある人が気軽に投資を始められる手段として注目されています。

ポイントは貯まるとうれしいものですが、ついうっかり失効させてしまったり、適当な交換先がなく有効に使うことが難しいものもあります。ポイント投資は投資の勉強にもなり、さらに価値を増やすことが出来る可能性もあることから、ポイントの新しい使い方として期待できそうです。

注目のポイント投資3つ

今回は投資初心者の人のために、より気軽で始めやすい「ポイント運用型」の投資サービスの代表的なものを紹介します。

dポイント投資

NTTドコモが提供するポイントサービス。ドコモユーザーではなくてもdアカウントがあれば利用できるdポイントを、100ポイント単位で投資できます。ポイント投資の手数料は無料、運用ポイントは1ポイント単位でdポイントに戻せます。運用は投資信託で行い、積極的な「アクティブコース」、安定的な「バランスコース」のどちらかを選択します。投資開始後のコース変更も可能です。初心者の方が一番気軽に始めやすいサービスといえそうです。

永久不滅ポイント運用

クレディセゾンが提供する投資を疑似体験できるポイント運用サービス。ポイント投資の手数料は無料、100ポイント単位で運用することができ、好きなときに1ポイント単位で引き出し、永久不滅ポイントとして利用できます。コースは、投資信託コースと株式コースがあります。

投資信託コースではタイプの異なる4つから選ぶことができます。東証株価指数に連動する「日本株(TOPIX)コース」、米国市場の主要500銘柄に(大型株)の株式指数に連動する「アメリカ株(VOO)コース」や、その他に積極的なプラスを狙う「アクティブコース」、安定運用の「バランスコース」です。

株式コースでは、永久不滅ポイントから交換したストックポイントが、実際の株価に連動しポイントが増減します。投資信託コースでは手数料は不要、株式コースでは所定のポイント交換レートがあります。

STOCK POINT

こちらはSTOCK POINT株式会社が提供するサービス。ポイントをそのまま運用する「ポイント運用型」で、保有ポイントが株価に連動して変化します。もちろん現金や口座開設などは必要ありません。ドットマネーやセゾンの永久不滅ポイントなどのポイントを、Stock Pointに交換して同社が指定する銘柄を選択すると、ポイントがその株価に連動する仕組みになっています。

貯まったポイントは、そのままポイントとして使うことも、サービス内で使用できる「マネー」(※マネー口座開設の必要あり)や実際の株式に交換する(※指定の証券口座開設の必要あり)ことも可能です。投資先は、みずほフィナンシャルグループ、KDDI、ソニー、サイバーエージェントなどの有名企業のほか、海外の株式指数に連動する商品も選べます。

ポイントを元手にして個別の銘柄に間接的な株式投資までできるので、これから投資を始めたいという方はこの Stock Pointから始めるのもいいかもしれません。

ポイント投資で投資を身近に

ポイント投資では、現金を使うことなく普段の生活で貯まっていくポイントを無理なく投資に回し、うまくいけば利益を手に入れることも可能です。「投資って少しハードルが高い……」という人は、まずはポイント投資から始めてみてはいかがでしょう。経済の動きや投資の仕組みがわかるようになり、実際の投資の勉強にもなります。

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