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1000万円女子って本当? 『日経WOMAN』と働き女子の「お金」 

(写真=iStock by Getty Images)

「LIFE SHIFT」の著者であるリンダ・グラットン氏が唱えた「人生100年時代」がまさに現実になりつつあるなかで、女性たちにとっても働くだけでなく、働き続けることが当たり前になっています。“自分でお金を稼ぐ”女性たちは、お金との付き合い方をどう考えているのでしょうか。
30年以上、働く女性たちに寄り添い、応援してきた月刊誌『日経WOMAN』。ほぼ毎号さまざまな角度からお金に関する企画を組んでいるという同誌編集部の岩井愛佳さんに、働く女性たちのお金の実態を聞きました。

20代でも老後のお金に不安を抱いている

『日経WOMAN』でもお金に関する特集は、読者の支持が高い人気企画。その特集を作る前には読者アンケートを取り、その時々で読者が何に興味があるのかをリサーチしています。「毎回500人前後の回答があり、居住形態や年収、月収、貯蓄&投資額、お金の貯め方や使い方など、多様なデータを分析しているので、時代に合わせて意識が変わっていくのがよくわかります。」と岩井さん。

その中でも、ここ数年で顕著にみられる傾向があるといいます。「年代に関係なく、老後への不安が非常に高まってきており、“老後までにいくら貯めればいいか”“どうやって貯めるか”という内容の記事が人気です。つみたてNISAやiDeCoが始まったこともあり、“投資でお金を増やしたい”と思う人も年々増えていますね」。

しかし、不安意識はみな共通であるにもかかわらず、お金を着実に貯めたり運用したりできている人と、そうでない人の格差が出てきています。

その顕著なタイプが「隠れ貧困女子」と「1000万円女子」。今回は、そのうちの「隠れ貧困女子」について詳しくみていきましょう。

給料前に残高ゼロ! カード払いの落とし穴

「隠れ貧困女子」とは、ある程度収入があっても身の丈以上の支出があり、貯蓄がゼロ、または借金がある人のこと。バッグや服を衝動買いしたり、突発的に海外旅行に出かけたりして、その高額な出費をカード払いで済ませてしまい、その支払いに首が回らなくなる女性たちがその典型です。見た目には普通で、汚い服を着ているわけでも生活に困っているようにも見えず、本人にも自覚症状があまりないのが、落とし穴だそう。

「実はこれ、20代前半の私自身でした。給料が入ったら大好きな洋服を次々と買ったり、休みができるとすぐ旅行に出かけたり。自分でいくら使っているのかという感覚がありませんでした。リボ払いの仕組みも分かっておらず、いくらカード払いしても、毎月の返済額は一定で便利だなとしか思っていなかったんです。そして、気づくと給料前は毎月手元にお金が残らず、なんだか苦しい……。まさに『隠れ貧困女子』でしたね。

以前の私のように、仕事のストレスを発散するため、洋服、旅行、飲み会などにお金を使ってしまう人は少なくないはず。読者のなかにも、10万円のコートや30万円以上もするトイプードルを衝動買いした人がいました」。

カードローンやリボ払いにハマッている人は、もしかして「隠れ貧困女子」かもしれません。

隠れ貧困を脱出するには、1週間の出費把握からスタート!

「この人たちの傾向は、自分がいくら稼ぎ、いくら使っているのかが把握できていないこと。月々の収支や貯蓄額を聞いてもすぐに答えられない人が多いです。ですから、「隠れ貧困女子」には、次のプロセスをおすすめしています」。

隠れ貧困女子脱出テク

1. 手取り月収を把握する。
2. 1週間だけでもレシートをためるなどして出費をチェック。
自分の浪費傾向を知る。
3. 意識してムダな出費を削る。
4. カード払いをやめ、現金だけで生活する。
5. とにかく借金をゼロにする。
6. 借金がなくなったら、収入の2割くらいを目安に先取り貯蓄をし、
残ったお金でやりくり。
(都内で一人暮らしなら1割程度でもOK)

「自分が何にいくら使っているかを知ることが大切。いきなり家計簿をつけるのはハードルが高いので、まずは1週間分のレシートをためて、振り返りを。コンビニで飲み物を毎日買っているとか、外食が多いとか自分の傾向がみえてくるはずです。そうしたら、飲み物をマイボトルに入れて家から持ってくることから始めてもいいですよね」。

言われてみると、ちょっと時間が空くと寄ってしまうカフェやコンビニの出費は、“チリも積もれば”で1ヵ月もすると大きな出費になっています。こうした出費をなくし、お金の使い方を改善していくことが「隠れ貧困女子」脱出の第一歩になるのです。「隠れ貧困」は女性だけでなく、きっと男性にも耳の痛い人がいそうです。岩井さんが教えてくれた「隠れ貧困女子」脱出テクを、早速やってみたいですね。そして、次回取り上げる「1000万円女子」への道を歩き始めたいものです。

【次回】今どきの働き女子 月収10万円台でも“1000万円女子”に!

『日経ウーマン』は、「仕事を楽しむ 暮らしを楽しむ」をテーマに、仕事にも私生活にも役立つ情報を掲載する月刊誌(毎月7日発売)。自分らしい働き方、資格、就職・転職など、働く女性の仕事を応援する内容から、恋愛・結婚・出産、マネー管理、カルチャー、メイクなどのプライベートを充実させる情報まで、あらゆるテーマを働く女性の立場に立って考えている。

日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab. 
岩辺みどり

日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」(https://consult.nikkeibp.co.jp/financial-contents-lab/)は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。

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