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フランス大統領選挙は、予想通りの組み合わせで決選投票へ

(写真=Morozova Olena/Shutterstock.com)

フランス大統領選挙はマクロン氏vsルペン氏の決選投票へ

4月23日(日)に投開票が行われたフランス大統領選挙第1回投票は、どの政党にも属していない無所属の中道候補マクロン元経済産業デジタル相が、反欧州連合(EU)や反移民を唱える国民戦線(FN)のルペン候補を抑えて1位となりました。マクロン氏、ルペン氏ともに得票率で過半数を獲得できなかったため、5月7日(日)に行われる第2回決選投票の勝者が新たなフランス大統領となります。

マクロン氏優勢を背景にフレグジット懸念が後退

金融市場ではルペン氏に加え、メランション氏という同じ反EUを主張する候補が第1回投票で1位と2位を占めた場合、フランスのEU離脱(FREXIT:フレグジット)の可能性が高まるとの見方がありましたが、①決選投票にはマクロン氏、ルペン氏が進むことになった、②3位以下となった主な候補のうち、これまでに右派の最大野党・共和党のフィヨン元首相や左派与党・社会党のアモン前国民教育相がそれぞれの支持者に対してマクロン氏支持に回ることを訴えた、等から、週明け4月24日(月)は市場でのリスク回避の動きがいったん和らぐ形となりました。

ユーロの反応は?

為替市場では、4月24日(月)の東京時間早朝に開票速報が伝わると、決選投票でのマクロン氏勝利への期待感からユーロが急伸しました。対ドルで前週末の1ユーロ=1.072ドル台から一時1.094ドル付近と昨年11月10日(木)以来の水準まで上昇し、対円でも前週末の1ユーロ116円後半から120.90円台までユーロ高が進みました。

決選投票の行方は?

5月7日(日)の第2回決選投票では、第1回投票で3位以下の候補者を支持した有権者が反国民戦線のもとでマクロン氏支持に回り、マクロン氏が大統領に当選するというのが市場のコンセンサスとなっています。

しかし、昨年6月には英国のEU離脱(ブレグジット)や、昨年11月の米大統領選挙でのトランプ氏当選等、事前の市場の想定と違う結果が出ているだけに、予断は許さない状況です。反EUを掲げているメランション氏の支持者の一部がルペン氏支持に回る可能性や、無党派の浮動票が多いとされるマクロン氏へ支持が持続するかどうか等、先行き不透明な点も残されています。

ただ、第1回投票が事前に市場が予想していたシナリオ通りの結果となったため、5月7日(日)の決選投票でも、マクロン氏が勝利するとの見方に支えられ、リスク回避の動きについても限定的だと考えられます。

マクロン氏が大統領になったとしたら

過去に初めてFNの大統領選挙候補者(ジャン=マリ・ルペン氏、ルペン現FN党首の父)が第2回投票まで残ったのは15年前、2002年の大統領選挙でした。当時のユーロ相場を確認すると、第1回投票までユーロの対ドル相場はレンジ内の動きにとどまった後、決選投票の組み合わせが決まった後から持ち直し、シラク大統領の再選が確定した5月以降、上昇に転じました。

仮にマクロン氏が大統領に当選したらどのようなことが想定されるでしょうか。今年は第2回投票で仮にマクロン氏が大統領に当選した場合でも、6月の国民議会選挙で自らの与党グループが議会多数派を形成することは難しく、政権と議会でねじれ(コアビタシオン)が生じ、強いリーダーシップは期待しづらいと考えられます。

また、今年9月にはドイツでも連邦議会選挙を控え、選挙後にドイツで新政権が発足するのは11月~12月頃とみられており、その間はフランスにおいても、政治的に大きな決断は下せないと考えられます。以上の理由から、フランス大統領選挙の結果が明らかになった後も、2002年大統領選挙後にユーロが上昇した状況と比べるとユーロの持ち直しが後ずれする可能性が考えられます。

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