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ドル円相場、2017年の振り返りと2018年の見通し ①もみ合い相場が続いた理由

(写真=Pavel Bobrovskiy/Shutterstock.com)

2017年はどんな年だった?

2017年のドル円相場は、当時約10ヵ月ぶりの高値圏の1ドル=117円~118円近辺でスタートとなりました。これは、2016年11月の米大統領選挙でトランプ氏が当選したことを受けて、政策期待などから2016年末までの約2ヵ月の間に1ドル=101円台から118円台へ急騰したことによるものです。当時、2017年の見通しとして、①2ヵ月弱で約17円もの値動きは急激すぎる、②トランプ政権の政策を見極める必要がある、③ファンダメンタルズや金融政策の比較では円よりもドル優位な状況に変化はない、といった理由から、「2017年序盤に調整的なドル安円高となった後、米新政権の政策を見極めつつもみ合いに移るが、年後半にはファンダメンタルズや金利差を反映しドル高円安となる」展開を予想していました。

実際の2017年のドル円相場は、年序盤に調整的な下押しとなった後、3月以降は108円~114円台を中心としたもみ合いが続き、予想に反して年後半の上昇とはならないまま、2017年を終えることになりそうです。

ドル売り・円売りでもみ合いに

なぜ、ドルと円のもみ合いが続いたのでしょうか。実は、2017年は米ドルが主要通貨に対して全面的に売られた1年だったのです。一方で、強力な金融緩和を続ける円もどちらかといえば売られる通貨であったため、為替市場においては「ドル安・円安」の動きとなり、結果としてドル円相場は狭いレンジ内をもみ合う展開になったとみられます。ただ、強力な緩和を続ける円が売られるのはともかく、景気が良く、利上げを実施している米国のドルがなぜ全面安となったのでしょうか。

ドル売りの3つの理由

2017年のドル安の背景として、①2016年終盤のドル急上昇に対するテクニカルな調整、②トランプ政権に対する失望(悪いドル安)、③景気が上向いて金融引き締めに転じる国が出てきたなかで、そうした国の通貨が上昇することによるドル安(良いドル安)、の3つがあると考えています。2017年序盤には①の理由で118円台から下落後、3月以降は②と③がドルの上値を押さえることで、ドル円をレンジ内に押しとどめる形になったといえるでしょう。

②のトランプ政権に対する失望は、わかりやすいドル安材料です。大統領選直後には政策期待がドル買いにつながりましたが、就任後のトランプ大統領の政策や言動は失望を誘うものばかりでした。複数のイスラム国家から米国への入国禁止やメキシコ国境の壁建設、オバマケア廃止等、センセーショナルな政策を次々打ち出しましたが、ほとんど実現していません。加えて、ロシア疑惑も台頭するなか、2017年、トランプ大統領に絡む話題はほとんどがドル売り材料となりました。

良いドル安とは

もうひとつ「景気が上向いて金融引き締めに転じる国が出てきたなかで、そうした国の通貨が上昇することによるドル安(良いドル安)」とはどういうことでしょうか。 実は2017年は世界経済や金融政策に大きな変化がみられた年でした。

次回:2017年に起こった変化とは

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