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【第4回】和泉昭子氏が教える、「長期保有でうまみのある銘柄選びのコツ」

izumi
生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナーの和泉 昭子氏

マイナス金利に突入した現在、大切なお金を守り、増やしていくために資産運用を考えている方は多いのではないでしょうか。
お金のキャンパスでは、生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナーの和泉 昭子氏による連載を通じて、かしこく資産運用するためのノウハウをお届けします。

第4回目は、株の値動きでドキドキしたくない人向けに株式投資のうまみを享受する方法をお聞きしました。

値上がり以外の株式投資のメリットは?

株式投資には、いくつかのうまみがあります。

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(写真=PIXTA)

まずは、値上がり益です。株のなかには、「ボックス」と呼ばれる一定の値幅で上昇、下降を繰り返す傾向の銘柄があります。ご相談者が株式投資であまり気をもみたくないという方ならば、こうした銘柄が向いているでしょう。

2つめとして配当があります。これはマイナス金利の今、着目したいもののひとつです。というのも、預貯金や債券の金利の低下に比べ、株の配当金はそれほど大幅には下がっていないからです。配当利回りは、日経平均株価採用銘柄の平均で約1.77%(前期基準・2016年10月28日)。それ以上の配当利回りの株式もたくさんあるので、株価自体は動くものの、好配当を期待できる銘柄もあります。

3つめは株主優待です。近年、個人投資家を増やしたいという理由から各企業が力を入れ始めました。株主優待を行う企業が増えていること、さらに株式の購入単位が小口化していることで、一般の投資家が参入しやすくなっています。

企業の思いがつまった「株式優待」には魅力がいっぱい

企業が株主優待を行う主な目的としては、個人投資家に事業内容等を良く知ってもらったり、企業自体に好感をもってもらうことで、長期で株を持ち続けてくれるファンを増やそうというねらいなどがあります。

株主優待では一定の優待が入手できるだけでなく、百貨店ならば商品の割引、航空会社では搭乗券の割引などさまざまなサービスを受けることもできます。ですから、もし株主優待を楽しむことを第一に考えるならば、ご自分の生活スタイルに合った身近な銘柄を選ぶといいでしょう。

長期保有が前提なら、「権利確定日後」が狙い目!

一般的に、「権利確定日(株主優待や配当などの権利を得られる最終日)」に向かって株価が上昇する傾向にあります。株主優待に主眼を置き中長期で株を保有するならば、目先の株主優待や配当金は得られなくても、「権利確定日後」の株価が下がったタイミングで購入するのも一法です。

ところで、保有する株数に比例して優待のボリュームが上がるかといえば、必ずしもそうではありません。安定した株主を集めるために、小口投資家に有利になっているケースも多く見られます。最低単位の株でもさまざまな株主優待が受けられる企業はたくさんありますので、最初は最低単位から始めて見るのもいいと思います。

ただし、株主優待ばかりに目が行って、企業の経営の本質を見逃してしまっては元も子もありません。証券会社やアナリストが発信する情報などで、経営の健全性などをチェックした上で購入すべきでしょう。

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