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【第7回】和泉昭子氏が教える、「少額からはじめる資産運用とドル・コスト平均法」


生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナーの和泉 昭子氏

マイナス金利に突入した現在、大切なお金を守り、増やしていくために資産運用を考えている方は多いのではないでしょうか。お金のキャンパスでは、生活経済ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナーの和泉 昭子氏による連載を通じて、かしこく資産運用するためのノウハウをお届けします。

第7回目は、投資に興味があるけれどいきなり大きな金額を動かすのは怖い……という方に、少額からはじめられる投資について和泉先生が教えます。

まずは小額からはじめてみることが大切

投資は少額からでも始められます。むしろ、最初は小額からスタートした方が良いのです。


投資をやったことがない人が投資に二の足を踏んでしまう理由は「損をしたらどうしよう」という怖さと「難しい」と思うことではないでしょうか。

「損したらどうしよう」と思ってしまう気持ちはよくわかります。実は私は、運転免許を持っているものの、車の運転はしません。なぜなら、万が一にも誤って人にけがをさせてしまったり、何かを破損させてしまった場合、その賠償や心の傷、罪の重さを引き受ける覚悟がないからです。日常的に車を運転されている方からすれば、運転をしないことで、利便性や行動範囲の拡大、ドライブの楽しみなど、どれだけの可能性を手放していることか。なんて消極的な考えだと思われる方もいらっしゃるでしょう。

投資に関しても、同じことがいえます。リスクを取るか取らないかを決めるのが、投資を始めるか否かを決める第一歩です。ただし、人生は、さまざまなリスクに満ちています。お金についてだけ、神経質になりすぎない方が良いのではと、私は思っています。

また、投資をためらうもうひとつの理由の「難しさ」についてですが、車の場合、初心者のほとんどがオートマチック車を選ぶと思います。さらに、一定の条件下で自動走行できる機能を搭載した車も発売されるなど、自動運転の実用化も間近なようです。投資の世界でオートマチック車や自動運転に相当するのが、プロが運用する投資信託ということができます。用途や好みに合った車を選ぶように、投資信託の商品を選んではいかがでしょうか。

初心者がリスクを抑えた投資をするには?

さて、お話ししたように、車の運転にも投資にもリスクはついて回ります。では、どうすればいいのか。運転の場合、安全運転をすればリスクはかなり減らすことができますが、投資も同様です。


まずは、いきなりスピードを出さないように、はじめから大きなお金を投資しないことです。一般的には投資信託は1万円程度から始められますし、なかでも投資信託の積み立てなどは少額から始められるので良いのではないでしょうか。

投資信託の積み立てをおすすめするのには、もうひとつ理由があります。投資の安全運転の要素として「分散」があります。見落とされがちですが、投資対象の分散だけでなく、投資のタイミングを分散することがとても重要なのです。

資産形成に向いている「ドル・コスト平均法」

投資信託の積み立てでは、毎月預貯金口座から一定額が引き落とされ、指定した投資信託が自動的に買い付けられます。この際、使われるのが、価額の動きやタイミングに関係なく、定期的に一定金額を継続して投資する「ドル・コスト平均法」です。この手法では、価額が高いときには少ない口数を、安いときには多くの口数を買い付けることになります。人間の心理ではこれとは逆の行動を取ってしまいがちで、それが原因で失敗してしまうケースが多いのです。

投資信託の積み立ては、分散投資してリスクを軽減している分、短期の投資ではあまりうまみがなく、中長期的な資産形成に向いています。中長期的な資産形成をしていくことは、老後資金を準備することにもなると思います。


資産形成とは、いわば木が倒れないよう太い根をはっていくこと。退職して収入がなくなったとき、太い根をはっているほど大きな安心感が得られ、不安からも解消されるのではないでしょうか。 

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