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「100%」はリスクが低い? 投資の「リスク」はどこまでとるべきか(後編)

(写真=Thinkstock/Getty Images)

お金の持ち方についての考え方に応じて、人それぞれのリスクに対する考え方も変わってきます。しかし、ほとんどの人はお金が増えることは受け入れても、お金が減ることを前向きに考えることはないことでしょう。投資においてリスクを低減するにはどうすればよいのでしょうか? 個人のリスクへの考え方をふまえて考えてみます。

自分のリスク許容度を考えよう

金融商品はリスクの度合いにより分類することができ、リスクが低いものはリターンも小さい、つまり安全性は高いけれどあまり増えない。一方、リスクが高いものはリターンも大きい、つまりお金が減ってしまうかもしれないけれど大きく増える可能性があることを、前編で紹介しました。

自分のお金の持ち方について、どのように考えていますか? お金が減ることは絶対に受け入れられない人もいれば、リスクはあっても大きく増えることに期待したい人もいるでしょう。そして、減るのは困るけれど、あまり増えないのも困る、多少は増えてほしいから少しであればリスクも受け入れてみようかと、多くの人は、こう考えるのではないでしょうか?

リスクをどれくらい受け入れられるか、これをリスク許容度といいます。リスク許容度は、人により異なります。まずはどのような性格で、どのような考え方をするかです。さらに、その人を客観的に見て、このような人はリスクを大きくとれる、逆にリスクは小さい方がいい、という目安があります。性格や考え方については自分が一番よくわかっていると思いますから、客観的な目安をご紹介しましょう。

・ 年齢… 若い人ほど大きなリスクがとれます。なぜなら、価格変動により一時的に損失を抱えても、価格が回復するまで待つことができる時間的な余裕があるからです。

・ 現在の資産の状況…預金をたくさん持っている人ほど、大きなリスクがとれます。なぜなら、緊急にお金が必要になっても預金から出すことができるので、余裕資金を投資に回すことができます。また安定的な資産を十分持っていますから、値動きする金融商品が加わっても、全体のリスク度は低くなるからです。

・ 家族…独身の人はある程度のリスクをとれます。子どもがいる人は、子どもの数が多い人ほど、リスクは低い方がいいでしょう。なぜなら、子どもの独立までの間、子育てのために大きな支出が予想されるからです。子どもの成長にともない、年齢に応じた教育費がまったなしでかかります。

・ 収入…収入が多い人は一般的に家計の収支に余裕があると考えられますから、ある程度のリスクがとれます。

上記は、あくまでも目安で、若くてもお金が減るリスクを受け入れられない人もいれば、収入が多くても毎月の収支が赤字という人もいるでしょう。

どれくらいのリスクをとるか、どれくらいのリスクの商品を選ぶかは、自分の性格と、現状をふまえて、検討することになります。その際、リスクをなるべく減らしながら、ある程度のリターンも期待できる方法があります。

リスクは軽減できる

リスクを低減する方法としては、そもそもリスクが低い商品を選ぶことですが、ほかにも分散投資という方法があります。ひとつの商品だけではなく、複数の商品を組み合わせることでリスクを低減することが期待できます。リスクとリターンの関係のところでも紹介したとおり、代表的なものは債券と株式です。さらに国内のみならず海外の債券や株式を組み合わせるとどうなるでしょうか。

下のグラフは、国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券という6つの資産と、それら6資産に均等に投資した場合の値動きを示しています。6資産はそれぞれに異なる値動きをしていて、特に値動きの幅が大きいのは先進国株式と新興国債券です。海外の資産に投資をすると、株式や債券の価格変動に加えて為替変動の影響も受けるからです。そして、6資産均等に分散投資をした場合は、値動きの幅が小さくなっている、つまりリスクが低減されていることがわかります。

グラフは6資産均等ですが、割合を変えれば、また違った値動きになります。もっとも安定しているのは国内債券ですから、国内債券の比率を高めれば、値動きの幅はもっと小さくなりさらにリスクを低減できるでしょう。その分、リターンも小さくなります。投資信託の中には、1つの投資信託で複数の資産に分散投資できるタイプがあり、バランス型や資産分散型などと呼ばれています。同じバランス型や資産分散型のグループに分類される投資信託であっても、どの資産に、どれくらいの割合で分散するかは、商品により異なります。

値動きの異なる資産にそれぞれ投資した場合と6資産均等に分散投資をした場合(毎月リバランスしたとしての試算)

(みずほ証券のサイトより)

リスクを分散する方法には、このように資産を分散する以外にも、時間や投資する地域を分散することでリスクを低減する方法があります。
歴史が証明する「分散投資」の魅力 〜投資する国・地域や時間を考える〜
分散投資は「どのように」分散すれば良いの?

投資と一口に言っても、比較的堅実な方法、バランスを取って安定性を確保しながらリターンも期待できる方法、大きな値動きにより大きなリターンを求める方法など、複数の選択肢があることをおわかりいただけたでしょうか。リスク・リターンの度合いを確認し、自分の性格や状況に応じて選択したいものです。

日経BPコンサルティング 金融コンテンツLab.
フィナンシャルプランナー 坂本綾子

日経BPコンサルティング「金融コンテンツLab.」は、難しくなりがちなお金の話題を、わかりやすいコンテンツに仕上げることをテーマとして取材・情報発信にあたっている制作研究機関。月刊誌『日経マネー』編集部の在籍経験の長いベテランスタッフが中心となり、マネー系コンテンツを提供している。

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