五輪後の経済落ち込みは不可避?
一方、国際通貨基金(IMF)によると、過去8大会においては、アトランタ・ロンドン大会以外は五輪後に経済が落ち込んでいるそうです。
オリンピック後にGDPの水準が低下しないとした日銀の見解とは異なります。海外観光客については、五輪による認知度向上やインフラの多言語化で日本の知名度が高まり、その後も経済効果を維持することは可能でしょう。
しかし、前倒しの投資や消費の反動が後に出るのは予想できることであり、財政負担増によるマイナス影響もあり得ます。
五輪後の経済リスクに備えるべき
経済成長について考えると、五輪のもつ一過性のイベントという側面に期待するだけでは十分ではありません。規制緩和による需要創出、労働生産性向上・女性や高齢者の労働参加促進による人手不足の解消、社会保障費抑制による財政再建などに取り組むことで、経済の基礎体力をつけておかなければ、五輪後の景気悪化が現実になってしまいます。
最近はUberや民泊などのシェアエコノミー、外国人労働者の受け入れなど、新しい風をビジネスに吹き込むチャンスも見られます。4年後やその先の、アフター五輪に向けて官民ともに備え始める時期ではないでしょうか。
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